まとめ
- 凸レンズの焦点よりも外側に物体を置いた際、レンズの反対側に光が集まって結ばれる像のこと。
- 実物に対して上下および左右がすべて反転した状態で観察されるのが特徴である。
- 光が実際に一点に収束しているため、スクリーンやフィルム上に投影することが可能である。
解説
倒立実像は、物体から発せられた光が凸レンズで屈折し、レンズの反対側で再び交わることによって形成されます。物体上の各点から出た光がレンズを通過する際、光の経路が交差するため、結ばれる像の向きは元の物体に対して上下・左右ともに逆転します。
この像が形成されるための絶対条件は、物体とレンズの距離が「焦点距離」よりも長いことです。物体を焦点に近づけるほど像は大きく、レンズから遠ざかる位置に結ばれます。逆に、物体を焦点から遠ざけるほど像は小さくなり、レンズに近い位置に結ばれるようになります。物体が焦点の内側(レンズに近い側)に入ると、光は収束せず「正立虚像」となるため、実像は観察できなくなります。
虫めがね(凸レンズ)を使って、遠くの景色を白い紙に映したことはありますか?そのとき、紙に映った景色は上下も左右も逆さまになって見えたはずです。このように、レンズを通った光が実際に集まってできる、逆さまの像のことを「倒立実像」と呼びます。
この像は、光が本当にその場所に集まっているため、スクリーンや壁に映し出すことができるのが特徴です。物体をレンズの「焦点」というポイントよりも遠くに置いたときにだけ現れます。もし物体をレンズに近づけすぎると、この像は消えてしまいます。
実は、私たちの目の中にある「網膜」という場所にも、この倒立実像が映し出されています。景色が逆さまに映っているのに、私たちが正しく世界を見ることができるのは、脳が「これは逆さまだから元に戻そう」と一瞬で判断して処理してくれているからなのです。
カメラの仕組みも、この倒立実像を利用しています。レンズを通った光がカメラの中にあるセンサーに逆さまの像を結び、それをデジタルデータとして記録しているのです。私たちの目もカメラも、光の性質をうまく使って形を捉えているのですね。
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