- 山の斜面や谷の傾斜地を階段状に切り開いて作られた水田のことです。
- 平地が少ない地域で効率的に稲作を行うための伝統的な知恵であり、美しい景観を形成します。
- 国土保全や水源涵養(かんよう)といった多面的な機能を持っています。
解説
棚田は、平らな土地が少ない山間部において、斜面を水平に整地して作られた田んぼです。等高線に沿って幾重にも重なる姿から「千枚田(せんまいだ)」とも呼ばれます。機械が入りにくい急斜面での作業は、平地での稲作に比べて多くの労力を必要としますが、古くから日本の食料生産を支えてきました。
また、棚田には単なる農地としての役割だけでなく、環境を守る重要な機能があります。雨水を一時的に貯めることで下流の洪水を防いだり、地下水を育んだりする「緑のダム」としての役割や、土砂崩れを防止する効果が期待されています。近年では、その独特で美しい景観が文化的な価値として認められ、観光地としても注目されています。
コラム
現在、農家の高齢化や後継者不足により、維持が困難な棚田が増えています。これに対し、石川県能登地方などでは「棚田オーナー制度」が導入されています。これは、都市住民などが会費を払ってオーナーとなり、田植えや稲刈りなどの農業体験を通じて保存活動を支援する仕組みです。また、地形図上では、等高線が密集している場所に細かく区切られた水田記号が並ぶことで棚田を判別することができます。