まとめ
- 不純物(主に炭素)の含有量が極めて少なく、磁化されやすい性質を持つ鉄。
- 外部磁界によって強い磁気を帯びるが、磁界を取り除くと速やかに磁性を失う。
- 電磁石の芯材や変圧器(トランス)の鉄芯として不可欠な材料。
解説
軟鉄は、鋼(はがね)と比較して炭素などの不純物が非常に少ない純度の高い鉄です。物理学的には「透磁率」が高く、外部から磁界を与えると内部の磁区が即座に整列して強い磁石になるという特徴があります。一方で「保磁力」が小さいため、外部磁界がなくなると磁石としての性質を維持できず、すぐに元の状態に戻ります。
この「磁石になりやすく、すぐに磁石でなくなる」という性質は、電流のON/OFFによって磁力を制御する電磁石において極めて重要です。電磁石のコイルの中に軟鉄の芯を入れることで、コイル単体よりもはるかに強い磁界を発生させることができ、かつスイッチを切った瞬間に磁力を消すことが可能になります。また、電磁石の強さを決める条件(電流の強さやコイルの巻き数)を調べる実験では、芯の材質を軟鉄に固定して他の条件を変える「対照実験」が行われ、その有用性が確認されます。
軟鉄の対照的な存在として「硬鉄(鋼)」があります。硬鉄は一度磁化されると磁力が残る性質(保磁力が大きい)があるため、永久磁石の材料として適しています。用途に応じて、磁力を一時的に利用するなら軟鉄、持続的に利用するなら硬鉄という使い分けがなされています。また、軟鉄は物理的に柔らかく加工しやすいという特徴も持っています。
電磁石を作るとき、コイルの中に鉄の棒を入れると磁石の力がとても強くなります。このとき使われるのが「軟鉄」という種類の鉄です。
軟鉄には、電気を流したときだけ磁石になり、電気を止めるとすぐに磁石ではなくなるという便利な性質があります。もし、電気を止めても磁石のままだったら、クレーンで持ち上げた荷物を離せなくなったり、ブザーが鳴り止まなくなったりして困ってしまいます。
軟鉄は、不純物が少なくて純度が高い鉄のことです。これに対して、一度磁石になるとずっと磁石のままでいようとする鉄は「鋼」と呼ばれ、永久磁石の材料になります。
軟鉄は、私たちの身の回りにある「変圧器(トランス)」という装置の中にもたくさん使われています。電柱の上にあるバケツのような形の箱の中などで、電気の電圧を変える大切な役割を果たしているんですよ。
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