- 有害な物質が土壌に蓄積し、人の健康や生活環境に悪影響を及ぼす状態。
- 工場の排水、不適切な廃棄物処理、農薬の使用、あるいは自然由来の成分などが主な原因となる。
- 土壌汚染対策法によって、調査の義務や浄化の基準が厳格に定められている。
解説
土壌汚染は、重金属(鉛、水銀、カドミウムなど)や揮発性有機化合物(トリクロロエチレンなど)が土の中に長期間とどまることで発生します。大気汚染や水質汚濁と異なり、汚染物質が土の粒子に吸着されるため、自然に浄化される速度が極めて遅いという特徴があります。これにより、汚染された土に直接触れたり、土から溶け出した有害物質が地下水を汚染し、その水を飲用することで健康被害が生じるリスクがあります。
また、汚染された土地で栽培された農作物を摂取することで、食物連鎖を通じて人体に有害物質が蓄積される可能性も否定できません。日本では、2003年に施行された「土壌汚染対策法」に基づき、特定の有害物質を使用していた工場を廃止する場合や、一定規模以上の土地の掘削を行う際に、土地所有者に対して土壌調査が義務付けられています。
コラム
土壌汚染の解決策には、汚染された土壌を掘り起こして健全な土と入れ替える「掘削除去」や、汚染物質が周囲に広がらないように遮水壁で囲う「封じ込め」などの手法があります。近年では、微生物の分解能力を利用する「バイオレメディエーション」や、植物に有害物質を吸収させる「ファイトレメディエーション」といった、環境負荷の少ない浄化技術も注目されています。
なお、土壌汚染は必ずしも人間の活動だけが原因ではなく、火山地帯や特定の地層において、自然界にもともと存在する重金属が基準値を超えて検出される「自然由来の汚染」も存在します。土地の売買や再開発の際には、これらのリスクを適切に評価することが重要です。