裁判員が参加する裁判(裁判員制度)とは、国民から選ばれた一般市民が「裁判員」として刑事裁判の審理に出席し、裁判官と共に有罪・無罪の判断や、有罪の場合の刑罰の内容(量刑)を決定する制度のことです。司法に対する国民の理解を深め、市民の持つ社会常識を裁判の内容に反映させることを目的として、2009年より導入されました。
解説
この制度は、殺人罪や強盗致死傷罪、身代金目的誘拐罪など、社会的影響が大きく重大な刑事事件が対象となります。審理の場では、くじで選ばれた6人の裁判員と3人のプロの裁判官が対等な立場で議論を行い、評決を下します。多数決によって結論を出しますが、少なくとも1名の裁判官と1名の裁判員が賛成していることが決定の条件となります。
従来の裁判は法律の専門家のみで行われてきましたが、この制度の導入により、国民が司法プロセスに直接参加する機会が生まれました。また、裁判の内容を一般の人にも分かりやすくするため、争点を事前に整理する手続き(公判前整理手続)が行われたり、連日開廷によって審理期間が短縮されたりと、裁判のスピードアップと透明化も図られています。
コラム
日本の裁判制度には、判決に納得がいかない場合に上級の裁判所へ訴え、最大3回まで裁判を受けられる「三審制」という仕組みがあります。裁判員が参加するのは第一審(地方裁判所)のみであり、第二審(高等裁判所)や第三審(最高裁判所)は裁判官のみで審理が行われます。
また、この制度は「三権分立」における司法権への国民参加という重要な側面を持ちます。司法のチェック機能としては他に、国会が不適格な裁判官を辞めさせる「弾劾裁判」や、国民が最高裁判所の裁判官を直接審査する「国民審査」などがあり、これらと併せて司法の公正さが保たれています。