- 条約の内容を国家が最終的に確認し、その拘束を受けることに同意する最終的な手続き。
- 日本では内閣が条約を締結する権限を持つが、原則として事前に(または事後に)国会の承認が必要となる。
- 全権委員による署名の後、国内での承認手続きを経て、批准書を交換・寄託することで国際的な効力が発生する。
解説
条約を結ぶプロセスにおいて、政府の代表者が合意文書にサインすることを「署名」と呼びますが、これだけでは国家としての最終的な合意には至りません。民主主義国家では、国民の権利や義務に関わる重要な約束を政府だけで決めることはできず、議会によるチェックが必要だからです。
日本においては、日本国憲法第73条により、内閣が条約を締結する権限を持つとされています。しかし、同時に「事前に、時宜によっては事後に、国会の承認を経ることを必要とする」と定められています。つまり、国会がその条約の内容を認める(承認する)ことで、初めて内閣は「批准」という最終的な手続きに進むことができるのです。この仕組みによって、国民の代表である国会が、政府の外交活動をコントロールしています。
コラム
批准の手続きが完了すると、そのことを証明する「批准書」が作成されます。この批准書を相手国と交換したり、国際連合(国連)などの事務局に預けたり(寄託)することで、条約は正式に発効(効力が発生)します。
例えば、核兵器不拡散条約(NPT)などの国際的な枠組みにおいても、各国の批准が不可欠です。岸田総理がニューヨークの国連本部で行ったスピーチのように、国際社会で日本の立場を表明する際も、こうした条約に基づいたルール作りが前提となっています。なお、国会での「承認」と、国家としての最終確認である「批准」は、厳密には異なる段階を指しますが、一連の手続きとしてセットで理解することが重要です。