三審制とは、一つの事件について、裁判の誤りを防ぎ、公平で慎重な判断を期すために最大3回まで裁判を受けることができる制度のことです。国民の基本的人権を保障するための司法制度における核心的な仕組みとして位置づけられています。
解説
裁判は人間が判断を下すものである以上、事実の誤認や法律の解釈・適用に誤りが生じる可能性を完全に排除することは困難です。そのため、下級裁判所の判決に不服がある場合に、より上級の裁判所に改めて審理を求める権利を認めています。これにより、慎重に審理を重ねて裁判の正確性を高め、えん罪などの重大な人権侵害を未然に防ぐことがこの制度の大きな目的です。
具体的な審級の流れとして、第一審(地方裁判所、家庭裁判所、簡易裁判所など)の判決に対し、第二審の裁判所(主に全国8か所にある高等裁判所)へ不服を申し立てることを「控訴」といいます。さらに第二審の判決に対しても不服がある場合、第三審の裁判所(最高裁判所)へ不服を申し立てることを「上告」といいます。このように「第一審・控訴審・上告審」という3つの段階を経ることで、司法への信頼性が維持されています。
コラム
最高裁判所は、すべての法律や命令が憲法に違反していないかを最終的に決定する権限を持つため、「憲法の番人」と呼ばれます。最高裁判所の裁判官は、長官1名を含む計15名で構成されており、国民の投票によって罷免するかどうかを決める国民審査の対象となります。
また、裁判制度の課題である時間や費用の問題を解決するために、経済的な支援を行う「法テラス(日本司法支援センター)」が設置されたり、国民の感覚を裁判に反映させる「裁判員制度」が導入されたりと、人権を守るための司法改革が続けられています。