東海工業地域は、静岡県を中心に発達した、都市ごとに特色ある産業が集積する工業地域です。京浜工業地帯と中京工業地帯の間に位置し、陸上交通の利便性や豊富な水資源を背景に、独自の専門性を備えた工業都市が連なっているのが大きな特徴です。
解説
この地域は、大規模なコンビナートが中心となる一般的な「工業地帯」とは異なり、各都市が特定の分野で高いシェアを持つ「工業都市の集合体」としての性格を強く持っています。
浜松市周辺では、伝統的な木工技術をルーツとする楽器製造(ピアノなど)や、高度な金属加工技術を活かしたオートバイ・軽自動車の生産が世界的に知られています。また、富士市周辺では、富士山の豊富な湧水や地下水を利用できる地理的利点を活かし、製紙・パルプ工業が古くから発達してきました。このほか、大井川流域での茶の加工や、焼津港・清水港を拠点とした水産缶詰・加工品の製造など、地域の農林水産業と密接に結びついた産業も盛んです。
コラム
東海工業地域が発展した主な理由には、東名高速道路や国道1号線、新幹線といった「陸上交通の便」が良いこと、富士山や南アルプスからの「豊富な工業用水」に恵まれていること、そして「水力発電による安価な電力」が得られたことが挙げられます。現在では機械工業の割合が非常に高く、隣接する中京工業地帯と並んで日本の製造業を支える重要な拠点となっています。