- 地下水の過剰な汲み上げや天然ガスの採取などにより、地表面が沈み込む現象。
- 一度沈下した地盤は、地下水を戻しても元通りにはならない「不可逆性」を持つ。
- 建物や道路の損壊、浸水被害の拡大など、都市生活に深刻な影響を及ぼす公害の一つ。
解説
地盤沈下は、主に粘土層に含まれる水分(間隙水)が過剰に汲み出されることで発生します。水分が失われた粘土層は、上部の重みに耐えられなくなり、収縮して固まります。これが地表面の沈下として現れます。
高度経済成長期には、工業用水やビル用冷暖房のために地下水が大量に使用され、東京や大阪などの都市部で激しい沈下が見られました。現在では法律による地下水汲み上げの規制が進み、沈下速度は鈍化していますが、依然としてゼロメートル地帯の維持管理などの課題が残っています。
コラム
地盤沈下は、大気汚染や水質汚濁と並ぶ「典型七公害」の一つに数えられます。特に海岸付近で沈下が起こると、満潮時に地面が海面より低くなる「ゼロメートル地帯」が形成されます。これにより、高潮や洪水による浸水リスクが劇的に高まるため、堤防や排水ポンプの整備が不可欠となります。
また、天然ガスの採取に伴う沈下や、鉱山の採掘跡が崩れることによる沈下など、原因は多岐にわたります。一度収縮したスポンジが元に戻らないのと同様に、一度沈下した地盤を物理的に持ち上げることは困難であるため、事前の予防が最も重要です。