助言と承認とは、日本国憲法第3条に基づき、天皇が国事行為を行う際に、内閣が行う指導的・補佐的な関与のことを指します。天皇は政治に関する権能を有しない「象徴」であるため、そのすべての国事行為には内閣の助言と承認が必要であり、内閣がその責任を負うことが定められています。
解説
日本国憲法における天皇の地位は、主権者である国民の総意に基づいています。そのため、天皇が自らの意志で政治を動かすことは認められておらず、その行為が実質的に決定されるのは「内閣」の場です。内閣が事前に「助言」を行い、天皇が行った行為を事後に「承認」するという一連のプロセスにより、天皇の行為に法的・政治的な妥当性を与えます。
具体的な国事行為としては、国会の召集、衆議院の解散、総選挙の施行の公示、法律や条約の公布などが挙げられます。これらの行為は形式的・儀礼的なものですが、内閣の「助言と承認」があることで、間接的に国民の代表者である内閣のコントロール下に置かれ、民主主義の原則が守られているのです。
コラム
内閣は行政権を担当する最高機関であり、多くの省庁を統括しています。例えば、自然環境を守る世界自然遺産の管轄は環境省、教育や文化を担う世界文化遺産は文部科学省、そして気象庁は国土交通省の外局として設置されています。このように、内閣を構成する各省庁が専門的な事務を分担していますが、天皇の国事行為に関する最終的な責任は、これらを代表する内閣が一括して負う仕組みになっています。
また、この「助言と承認」は内閣の全会一致によって決定されるのが通例です。天皇の行為に対する責任の所在を明確にすることで、天皇が政治闘争に巻き込まれたり、失政の責任を問われたりすることを防ぐ機能も果たしています。