北方領土は、北海道の北東に位置する択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島の4島を指し、歴史的にも国際法的にも一度も外国の領土となったことがない日本固有の領土です。第二次世界大戦末期に当時のソ連(現在のロシア)によって不法に占拠され、現在も解決していない日本にとって極めて重要な領土問題となっています。
解説
1945年8月、日本がポツダム宣言を受諾した直後、当時のソ連は日ソ中立条約を一方的に破棄して侵攻を開始しました。終戦後、武装解除された日本人の住民たちは強制的に住み慣れた土地を追われ、現在までロシアによる実効支配が続いています。日本政府は、1951年のサンフランシスコ平和条約で放棄した「千島列島」には、歴史的経緯から見てもこれら4島は含まれていないという立場を一貫して堅持しています。
1956年には「日ソ共同宣言」が調印され、両国の国交が回復しました。この宣言では、平和条約の締結後に歯舞群島と色丹島の2島を日本に引き渡すことが合意されました。しかし、択捉島と国後島を含む4島一括の返還を求める日本と、それに応じないロシアとの間で主張が対立しており、現在も平和条約の締結には至っていません。
コラム
北方領土周辺は、寒流と暖流がぶつかり合う世界有数の漁場であり、水産資源が非常に豊富です。また、これらの島々を基点とする排他的経済水域(EEZ)は広大で、海底にはレアアースなどの貴重な海洋資源が眠っている可能性も指摘されています。
特に択捉島は、本州・北海道・九州・四国を除けば日本で最大の面積を持つ島であり、地理的・経済的にも日本の国土において欠かせない存在です。近年では、元島民の方々の高齢化が進んでおり、早期の解決が待ち望まれています。