北海道の西部に位置し、石狩川の下流に広がる日本有数の広大な平野。かつては植物が完全に分解されずに堆積した泥炭地であったが、大規模な土地改良を経て、現在は国内屈指の稲作地帯となっている。
解説
石狩平野は北海道の面積の約5%を占める、石狩川下流の沖積平野です。もともとは「泥炭地(でいたんち)」と呼ばれる水分含有率の高い湿地帯で、耕作が極めて困難な土地でした。明治時代からの開拓において、他の地域から肥沃な土を運び入れる「客土(きゃくど)」や、大規模な排水事業、蛇行する石狩川を直線化する捷水路(しょうすいろ)工事といった長年にわたる土地改良事業が行われました。
こうした技術的努力により、現在では「ゆめぴりか」や「ななつぼし」に代表されるブランド米の生産地として、日本を代表する穀倉地帯へと発展を遂げました。平野の南西部には北海道の政治・経済の拠点である札幌市が位置しており、都市近郊農業も盛んです。大規模な機械化農業と、人口密集地に近い利点を活かした農業が共存しているのが特徴です。
コラム
石狩平野での稲作成功には、土地改良だけでなく「品種改良」の歴史も深く関わっています。本来は寒冷で米作りに適さなかった北海道において、寒さに強い品種の開発が続けられたことで、上川盆地と並ぶ大規模な米の産地となりました。また、泥炭地の改良技術は、世界の湿地開発における先駆的な事例としても知られています。