熊本県南部を流れる一級河川であり、山形県の最上川、山梨県・静岡県の富士川と並んで「日本三大急流」の一つに数えられる。熊本県内最大の河川であり、人吉盆地から八代平野を経て八代海へと注ぐ、九州を代表する河川である。
解説
球磨川は全長約115km、流域面積は約1,880平方キロメートルに及ぶ。源流は水上村の石綿山付近にあり、上流部の人吉盆地、中流部の険しい峡谷、そして下流部の八代平野という多様な地形を流れる。特に中流部は勾配が非常に急であり、この急流を利用した舟下りやラフティングは地域の重要な観光資源となっている。
産業面では、下流に広がる八代平野において、球磨川の水を利用した「いぐさ」の栽培が極めて盛んである。八代平野は日本最大のいぐさ産地であり、畳の原材料として全国シェアの大部分を占めている。また、古くから上流からの土砂供給によって三角州が形成されるなど、地形の変遷と地域の農業、工業の発展に密接に関わってきた歴史を持つ。
コラム
その急峻な地形ゆえに古くから「暴れ川」としても知られ、治水の歴史は困難を極めてきた。近年では2020年(令和2年)7月の豪雨により、大規模な氾濫が発生し流域に甚大な被害をもたらした。これを受け、従来のダム計画のあり方や、川の掘削、遊水地の整備といった「流域治水」の推進について、現在も重要な議論が続けられている。