- 技能実習制度に代わり、日本国内の人手不足解消と人材育成を目的として2024年に創設された新しい在留資格制度です。
- 「国際貢献」という建前を廃し、日本の労働力確保という実態に即した仕組みへと転換され、特定技能制度への円滑な移行を目指します。
- 一定の条件下での転籍(転職)を認めるなど、外国人労働者の人権保護とキャリア形成を支援する仕組みが強化されています。
解説
育成就労制度は、従来の技能実習制度が抱えていた課題を解決するために導入されました。技能実習制度は、本来「技術移転による国際貢献」を目的としていましたが、実際には低賃金労働力を確保する手段として利用されることが多く、実習生が職場を自由に選べない「転籍制限」が人権侵害や失踪の原因となっていました。新制度では、この目的を「人材確保」と「人材育成」に明確化し、日本の労働市場に不可欠な存在として外国人を受け入れる姿勢を打ち出しています。
この制度の柱は、未経験の外国人労働者を3年間で「特定技能1号」の水準まで引き上げることです。特定技能1号になれば、さらに最長5年の就労が可能になり、その上の「特定技能2号」を取得すれば、家族の帯同や永住権の申請も可能になります。また、日本語能力試験の合格を要件に加えることで、円滑なコミュニケーションと社会生活の維持を図っています。
コラム
制度の大きな変更点である「転籍」については、同一の業務区分で1〜2年働いた後、一定の日本語能力があれば認められるようになりました。これは、労働者がより良い環境を求めて移動できる権利を保障するもので、企業側には「選ばれる職場」になるための努力が求められます。また、SNSの普及により、労働環境に関する情報が瞬時に共有される現代において、デジタル・デバイド(情報格差)を解消し、適切なメディアリテラシーを持って情報を取捨選択することも、外国人労働者と受け入れ企業の双方にとって重要な課題となっています。