組立型産業とは、多種多様な部品や中間財を外部から調達し、それらを組み合わせて最終的な製品を作り出す製造業の形態である。自動車、精密機械、コンピューターなどが代表例であり、1970年代の石油危機以降、素材型産業に代わって日本の工業の主役となった産業構造を指す。
解説
1970年代の石油危機(オイルショック)を境に、日本の産業は鉄鋼や化学といった「素材型産業」から、高度な加工と組み立てを行う「組立型産業」へとシフトした。この産業の最大の特徴は、一つの製品を完成させるために膨大な数の部品を必要とする点にある。そのため、多くの関連企業や下請け企業がネットワークを形成する広範な分業体制が構築されている。生産現場では、在庫コストを最小限に抑える「ジャストインタイム」方式や、部品の共通化を図る「モジュール化」が重要な戦略となる。
立地面では、原料輸入に頼る素材型産業が臨海部に集中するのに対し、組立型産業は部品輸送の利便性を重視し、高速道路沿いの内陸部(北関東工業地域など)に広がる傾向がある。また、1980年代以降の円高や貿易摩擦を背景に、多くの企業が生産拠点を東南アジアなどの海外へ移転させた。これにより、海外の現地工場で生産した製品を日本へ戻す「逆輸入」という経済構造が一般化した。
コラム
組立型産業の発展は、1980年代に対米貿易摩擦を激化させる要因にもなった。日本の高性能な自動車や電気製品が輸出市場を席巻したため、アメリカ国内で保護貿易を求める声が高まったのである。この調整のために行われた「プラザ合意」以降の急激な円高は、日本の製造業にさらなる合理化や生産拠点のグローバル化を強いることとなった。