関東軍(かんとうぐん)は、1919年に設立された大日本帝国陸軍の部隊です。当初は日本の租借地であった関東州(遼東半島の先端部)の守備と、南満州鉄道の警備を主な任務としていましたが、次第に政府や陸軍中央の統制を離れて独走し、満州事変を引き起こすなど日本の中国進出と第二次世界大戦への道筋を決定づけた存在として知られています。
解説
1920年代後半、世界恐慌による経済不況が日本を襲うと、軍部は資源豊かな満州を日本の「生命線」と位置づけ、その支配権を固めるべきだと主張するようになりました。1931年9月18日、関東軍は奉天郊外の柳条湖で南満州鉄道の線路を自ら爆破する「柳条湖事件」を引き起こし、これを中国軍の仕業として攻撃を開始しました。これが満州事変の始まりです。
関東軍は瞬く間に満州全域を占領し、翌1932年には清朝最後の皇帝・溥儀をトップに据えた「満州国」を建国しました。この強硬な軍事行動は国際社会の反発を招き、国際連盟の調査結果(リットン調査団報告書)を不服とした日本は、1933年に国際連盟を脱退することとなりました。これを機に日本は国際的な孤立を深め、国内では国家総動員法の制定など戦時体制が強化され、太平洋戦争へと突き進んでいくことになったのです。
コラム
「関東軍」という名称は、租借地であった遼東半島先端部の呼称「関東州」に由来します。関東軍の司令官は満州国における駐満特命全権大使も兼任しており、軍事だけでなく政治・外交においても実質的な最高権力者として現地を支配していました。