1929年にアメリカの株価暴落を端緒として発生した、資本主義諸国を中心に波及した未曾有の経済不況です。日本では昭和恐慌を引き起こし、軍事的な大陸進出や全体主義が台頭する決定的なきっかけとなりました。
解説
1920年代後半の繁栄に沸いたアメリカで株価が大暴落したことで、世界的な金融パニックが広がりました。イギリスやフランスなどの大国は、自国と植民地だけで経済を完結させる「ブロック経済」を採用し、他国からの輸入品に高い関税をかけて自国の産業を守ろうとしました。
これに対し、植民地が少なく資源の乏しい日本やドイツ、イタリアなどは深刻な打撃を受けました。当時の日本は、経済的な自立のために「生命線」と考えた中国東北部(満州)への進出を強めることで、この不境を乗り越えようと画策しました。国内では農村が疲弊し、主要な輸出品であった生糸の価格暴落などで生活が立ち行かなくなる人々が続出、既存の政党政治への不信感が軍部の支持へとつながっていきました。
コラム
世界恐慌への対策として、アメリカのフランクリン・ルーズベルト大統領は「ニューディール政策」を打ち出し、政府が積極的に経済へ介入して失業者対策や景気の回復を図りました。一方で、経済的苦境から軍事的な解決を求めた日本やドイツは、国際的な孤立を深め、後の第二次世界大戦へとつながる道を進むことになります。