解説
1920年(大正9年)は、日本の行政および国際関係において大きな節目となった年です。国内では10月1日に「第1回国勢調査」が実施されました。これは、当時の日本の人口や世帯の実態を正確に把握するためのもので、約5,596万人の人口が記録されました。この調査は、国の政策立案や将来予測に欠かせない基礎資料として、現在に至るまで5年ごとに継続されています。
国際情勢に目を向けると、1月にベルサイユ条約が発効し、世界初の国際平和維持組織である「国際連盟」が発足しました。日本は常任理事国として国際社会での地位を確立しましたが、経済面では厳しい状況に直面します。第一次世界大戦中の輸出拡大による好景気が終焉を迎え、綿糸や株式の価格が暴落する「戦後恐慌」が発生しました。これにより、多くの企業が倒産や整理を余儀なくされ、日本経済は不安定な時期へと突入しました。
コラム
国勢調査は、日本国内に住むすべての人(外国人も含む)を対象としています。このデータは、将来の人口推計や防災計画、選挙区の区割りなどに活用されます。現代の日本は、65歳以上の人口割合が7%を超えた「高齢化社会」、14%を超えた「高齢社会」、そして21%を超えた「超高齢社会」へと推移しており、1920年の第1回調査時(高齢者率は約5%)とは人口構造が劇的に変化していることがわかります。また、1920年にはシベリア出兵に関連した「尼港事件」が発生するなど、対外的な緊張も続いていた時代でした。