解説
製鉄所が海の近くに作られる最大の理由は、輸送コストの削減と効率化です。鉄の原料となる鉄鉱石や石炭は、そのほとんどを海外からの輸入に頼っています。これらを大型船で直接運び込み、そのまま工場へ搬入するためには、深い水深を持つ岸壁が欠かせません。
また、製鉄所は広大な敷地を必要とします。原料を積み上げておく貯蔵場や、巨大な溶鉱炉(高炉)、そして出来上がった製品を保管・出荷するスペースを確保するため、埋立地などの広い土地が選ばれます。
コラム
日本の代表的な製鉄所としては、千葉県千葉市や岡山県倉敷市、福岡県北九州市などが挙げられます。かつては北九州の八幡製鉄所のように国内の炭鉱に近い場所に作られることもありましたが、現在は輸入の利便性を重視した「臨海型」が主流です。
製鉄の工程では、鉄鉱石を溶かして不純物を取り除く「製錬」が行われます。この際に出る熱を利用して発電を行ったり、スラグと呼ばれる副産物をセメントの原料に再利用したりするなど、資源の有効活用も進んでいます。