まとめ
- ブリやマンボウなどの魚類が産む、海水よりも比重が軽く、海面付近や海中を漂う性質を持つ卵のこと。
- 外敵に食べられるリスクが高く生存率が低いため、一度に数百万個単位の極めて多くの卵を産むことで種を存続させる戦略をとっている。
- 卵の中に「油球(ゆきゅう)」と呼ばれる油の塊を持つことで浮力を得ており、酸素が豊富な環境で発生を促す利点がある。
解説
浮遊性の卵(浮遊卵)は、多くの海水魚に見られる繁殖形態です。最大の特徴は、卵全体の比重が海水よりも小さく設計されている点にあります。これにより、卵は海底に沈むことなく海面近くを漂い、海流に乗って親の生息域から離れた広範囲へと分散することが可能になります。
生物学的な視点では、産卵数と生存率の相関関係が重要です。浮遊性の卵を産む魚類の多くは、親による保護を行いません。そのため、孵化する前や稚魚の段階で他の生物に捕食される確率が非常に高く、成体になれるのはごくわずかです。この「低生存率」を補うために、マンボウのように一度に3億個近い卵を産むといった「多産」の戦略が進化しました。これは、哺乳類や鳥類のように産子数が少なく、親が手厚く保護することで生存率を高める戦略とは対照的です。
海に住む魚の中には、プカプカと海の上にうかぶ卵を産むものがいます。これを「浮遊性の卵」と呼びます。ブリやマンボウなどがその代表です。卵の中に小さな油のつぶが入っていて、そのおかげで水にうくことができるのです。
どうしてうかぶ必要があるのでしょうか。それは、海の流れに乗って遠くまで運ばれるためです。また、海の表面に近いほうが、赤ちゃんが育つのに必要な酸素がたくさんあるという理由もあります。
でも、海の上をただよっていると、ほかの魚に食べられてしまう危険もたくさんあります。そのため、これらの魚は一度に何百万個、ときには何億個という、数えきれないほどたくさんの卵を産みます。たくさん産むことで、食べられてしまう卵がいても、だれか一人は生き残って大人になれるように工夫しているのです。
世界で一番たくさん卵を産むといわれているのはマンボウです。一度に産む卵の数は、なんと約3億個!でも、その中で無事に大人になれるのは、たったの数匹だけだといわれています。自然界で生き残るのは、とても大変なことなのですね。
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