押しのけた液体の体積

一般小学生

まとめ

押しのけた液体体積
物体が液体に浸かった際に、その物体が占める領域から排除された液体の分量
  • 物体が液体に沈んでいる部分の体積と完全に一致する。
  • この体積に液体の密度を乗じることで、物体に働く浮力の大きさを算出できる。
  • 物体の材質重さに関わらず、沈んでいる部分の体積のみによって決定される。

解説

物体を液体に入れると、その物体が入り込んだ分だけ液体が脇へ押しやられます。この「押しやられた液体の体積」は、物体が液体に浸かっている部分の体積そのものです。アルキメデスの原理によれば、物体には「押しのけた液体の重さ」と同じ大きさの浮力が上向きに働きます。したがって、液体の密度が異なれば、同じ体積を押しのけても発生する浮力の大きさは変わります。

液体の種類 密度(目安) 同じ体積を沈めた時の浮力
油(サラダ油など) 約0.8 g/cm³ 小さい
水(真水) 1.0 g/cm³ 標準
食塩水(濃いもの) 約1.1 g/cm³以上 大きい

例えば、100cm³の物体を完全に沈めた場合、押し分けられる液体の体積はいずれも100cm³ですが、その液体の重さは食塩水が最も重くなるため、食塩水の中で最も強い浮力を受けることになります。

コラム

この考え方は、船がなぜ海に浮かぶのかを説明するのに不可欠です。巨大な鉄の船であっても、その形状を工夫して大きな体積を確保することで、船全体の重さに匹敵する大量の水を押しのけ、十分な浮力を得ています。また、お風呂の浴槽に体を入れたときに水面が上昇する現象も、まさに自分の体が「液体の体積を押しのけた」結果です。計算問題では、物体の体積だけでなく、液体の密度(単位体積あたりの重さ)を掛け合わせることを忘れないようにしましょう。

小学生のみなさんへ

コップいっぱいにたまった水の中に、おもちゃを沈めると、水があふれ出しますね。このあふれた水の分量が「おし出した液体の体積たいせき」です。水の中にしずんでいる部分と同じだけの水が、場所をゆずって外におし出されるのです。

このおし出された水の重さが、そのまま「物を上に押し上げる力(浮力ふりょく)」になります。だから、大きな物を沈めてたくさんの水を押し出すほど、浮力は強くなります。重い鉄の船が海にうかんでいられるのは、船の形を工夫して、たくさんの水を押し出すように作られているからです。

もし、水ではなくて「食塩水」のように重たい液体の中に沈めたらどうなるでしょうか。同じ分量だけおし出しても、食塩水のほうが重たいので、物を持ち上げる力はもっと強くなります。プールよりも海の方が体がうきやすいのは、このためです。

ルラスタコラム

大昔のギリシャにいたアルキメデスという学者は、お風呂に入ったときに水があふれるのを見て、この原理げんりを思いつきました。あまりにうれしくて、はだかのまま「エウレカ!(わかったぞ!)」とさけびながら街を走ったという有名な話がのこっています。

テストでの問われ方・理解度チェック

【基礎】 液体中の物体に働く浮力の大きさは、その物体が「押しのけた液体の何」と等しいですか。
物体が押しのけた液体の重さと等しい。
【応用】 同じ体積の「鉄の球」と「アルミの球」を完全に水に沈めたとき、それぞれが押しのけた水の体積に違いはありますか。
違いはありません。物体の重さや材質に関わらず、液体に沈んでいる部分の体積が同じであれば、押しのける液体の体積も等しくなります。
【実践】 水に浮いている船が、川(真水)から海(塩水)へ移動したとき、船が「押しのけている液体の体積」はどう変化しますか。
小さくなります。海水のほうが真水よりも密度が大きいため、より少ない体積を押しのけるだけで船の重さを支える浮力が発生し、船体が少し浮き上がるためです。

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