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引き上げる距離

一般小学生

まとめ

引き上げる距離
物体を鉛直方向に移動させた実際の長さ

解説

理科の物理分野における「仕事」は、物体に加えた力と、その力の方向に動かした距離の積で定義されます。このとき、物体が実際に真上(鉛直方向)に移動した距離を「引き上げる距離」と呼びます。道具を使用する場合でも、この「引き上げる距離」と物体の重さの積(仕事量)は一定に保たれるという「仕事の原理」が働きます。

具体的には、定滑車動滑車斜面などの道具を用いることで、必要な力を小さくすることができます。しかし、力が小さくなった分だけ、人間がひもを引いたり荷物を運んだりする距離は長くなります。以下の表は、道具ごとの力の大きさ距離の関係をまとめたものです。

道具の種類 必要な力の大きさ ひもを引く距離
直接(道具なし) 物体の重さと同じ 引き上げる距離と同じ
滑車 物体の重さと同じ 引き上げる距離と同じ
動滑車(1個) 物体の重さの半分 引き上げる距離の2倍
斜面 物体の重さより小さい 引き上げる距離より長い
コラム

仕事の原理は、エネルギー保存の法則の一種と考えることができます。道具を使うことで「楽」に持ち上げることはできますが、トータルのエネルギー(仕事)を減らすことはできません。また、実際の実験では、滑車自体の重さやひもとの摩擦まさつがあるため、計算上の値よりも少し大きな力が必要になることがあります。試験問題では「滑車の重さや摩擦は無視できるものとする」という条件がつくことが多いので、注意深く読み取りましょう。

小学生のみなさんへ

重い荷物を持ち上げるとき、みなさんはどうしますか?そのまま持ち上げるのは大変ですが、滑車かっしゃや坂道を使うと、小さな力で持ち上げることができます。

でも、一つだけ注意することがあります。それは、荷物を持ち上げたい高さ(引き上げる距離)よりも、長いきょりを引っぱらなければならないということです。たとえば、動く滑車を1つ使うと、力は半分ですみますが、ひもを引くきょりは2倍になります。結局、がんばる合計の量は変わらないという不思議な決まりがあるのです。

ルラスタコラム

大昔のエジプトでピラミッドを作ったときも、この仕組みが使われていました。重い石を高いところへ運ぶために、長くてゆるやかな坂道を作って、少しずつ引き上げたと言われています。道具の知恵は、大昔から人間を助けてきたのですね。

テストでの問われ方・理解度チェック

【基礎】 動滑車を1つ使って、120gのおもりを10cm引き上げるには、ひもを何cm引く必要がありますか。
20cm。動滑車を1つ使うと、引く力は半分になりますが、引く距離は引き上げる距離の2倍(10cm × 2)必要になります。
【応用】 定滑車を使っておもりを引き上げるとき、引き上げる距離とひもを引く距離の関係はどうなりますか。
引き上げる距離とひもを引く距離は等しくなります。定滑車は力の向きを変えるだけで、力の大きさや動かす距離を変える効果はないからです。
【実践】 斜面を使って荷物を引き上げるとき、垂直に持ち上げる場合と比べて「仕事の大きさ」はどう変化しますか。
仕事の大きさは変わりません。斜面を使うと小さな力で済みますが、その分動かす距離が長くなるため、力と距離をかけた「仕事」の合計は一定(仕事の原理)となります。

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