日本の平和と独立を守り、国の安全を保つことを目的として設立された防衛組織です。1954年に発足し、他国からの武力攻撃に対する防衛任務(自衛権の行使)のほか、国内の大規模災害への派遣や、国際平和協力活動(PKO)など多角的な役割を担っています。
解説
自衛隊のルーツは、1950年の朝鮮戦争勃発に伴う警察予備隊の創設にあります。その後、保安隊を経て1954年に防衛庁(現在の防衛省)とともに自衛隊が発足しました。憲法第9条が「戦力の不保持」を掲げていることから、その存在が違憲か合憲かという論争が長く続いてきましたが、政府は「自衛のための必要最小限度の実力」であるとして合憲の立場をとっています。
1990年代に入ると、冷戦の終結や湾岸戦争後の国際情勢の変化を受け、役割が大きく拡大しました。1992年に「PKO協力法(国際平和協力法)」が成立し、カンボジアへの派遣を皮切りに、ゴラン高原や南スーダンなどでの国際貢献活動が本格化しました。また、1995年の阪神・淡路大震災や2011年の東日本大震災における大規模な救助・支援活動を通じて、災害時における国民の安全確保を担う組織としての重要性も再認識されています。
コラム
自衛隊の運用には、軍人が政治を支配した戦前の反省から、民主主義国家として政治が軍事を優先する「文民統制(シビリアン・コントロール)」の原則が徹底されています。最高指揮監督権は内閣総理大臣にあり、防衛省の長である防衛大臣も文民(軍人ではない人)が務めることとされています。
また、防衛政策の基本として「専守防衛」を掲げており、相手から武力攻撃を受けたときにはじめて防衛力を行使し、その規模も防衛に必要な最小限度にとどめるという姿勢をとっています。