過疎とは、人口が急激かつ大幅に減少したことにより、防災、教育、医療などの基礎的な生活環境を維持することが困難になり、地域社会の活力が失われる現象を指します。
解説
1960年代の高度経済成長期以降、多くの若者が仕事を求めて農村部から都市部へ移動したことで、特定の地域の人口が著しく減少しました。これにより、東京や大阪などの大都市では「過密」が問題となった一方で、地方の山間部や離島などでは地域社会の維持が危ぶまれる「過疎」が深刻化しました。特に中国・四国地方の中山間地域などで顕著に見られます。
人口が減ると、バスなどの公共交通機関の廃止、商店の閉店、学校の統合といった事態を招き、残された住民の生活利便性が低下します。また、住民の高齢化が進むことで、災害時の避難体制の構築やインフラの維持管理、伝統行事の継承も難しくなり、地域全体が消滅の危機に直面することもあります。
コラム
近年では、人口の半分以上が65歳以上になり、共同生活の維持が限界に達した「限界集落」という言葉も広く使われるようになりました。これに対し、政府や自治体は「過疎地域自立促進特別措置法」などを通じて支援を行っています。また、ICTを活用したサテライトオフィスの誘致や、都市部からの「Iターン・Jターン」による移住促進、地域おこし協力隊の活動など、過疎を乗り越えて地域を再生させるための多様な取り組みが全国で展開されています。