解説
内閣は、日本の三権分立において行政権を担う合議体です。国会議員の中から国会の議決によって指名される内閣総理大臣と、総理大臣によって任命される国務大臣によって組織されます。国務大臣の過半数は国会議員である必要があり、これにより立法府との密接な関係が保たれています。内閣の意思決定は「閣議」と呼ばれる会議で行われ、慣習として全会一致が原則とされています。
内閣の主な職務には、法律案や予算の作成、条約の締結、外交関係の処理、政令の制定、および天皇の国事行為に対する助言と承認が含まれます。特に予算の作成や条約の締結は、内閣が行った後に国会の承認を必要とするため、立法府との役割分担を正確に把握することが重要です。
| 項目 |
国会(立法) |
内閣(行政) |
| 法律 |
法律を制定する |
法律案を作成・執行する |
| 予算 |
予算を審議・議決する |
予算案を作成・提出する |
| 外交 |
条約を承認する |
条約を締結する |
| 命令 |
(法律) |
政令を制定する |
コラム
日本の内閣制度は1885年、伊藤博文によって創設されました。1889年発布の大日本帝国憲法下では、各大臣は天皇を助ける「輔弼(ほひつ)」の立場にあり、主権は天皇にありました。しかし、1947年5月3日に施行された日本国憲法では、内閣は国会の信任に基づく「議院内閣制」をとり、主権者である国民に対して責任を負う民主的な組織となっています。
また、現代の政治課題として「大きな政府」と「小さな政府」の議論があります。社会保障を充実させるために税負担を増やすのか、あるいは規制緩和を進めて民間の活力を重視するのか、内閣が掲げる政策方針は国民生活に直結する重要な選択となります。