鎌倉は、源頼朝ら源氏にゆかりの深い土地であり、三方を山、南側を海に囲まれた天然の要塞といえる地形的特徴を持つ。この堅固な防御力と血筋の背景が決め手となり、武家政権である鎌倉幕府の本拠地として選定された。
解説
鎌倉の最大の特徴は、北・東・西を険しい山々に、南を相模湾に囲まれた「三方が山、一方が海」という閉鎖的な地形にある。この地学的特徴は外部からの侵入を制限する天然の防壁として機能し、軍事的な安定性を求める武家政権にとって理想的な拠点となった。
山側に位置する境界には、敵の侵入を物理的に防ぐために岩山を削って「切通(きりどおし)」と呼ばれる極めて狭い道が作られた。これらは馬一頭がようやく通れるほどの幅に制限されており、大軍が一度に攻め込むことを困難にする防衛上の重要な役割を担っていた。こうした地形を活かした都市設計が、鎌倉時代の防衛戦略の基盤となったのである。
コラム
鎌倉へと通じる主要な7つの道は「鎌倉七口(かまくらななくち)」と呼ばれた。平時は物資の流通を支える玄関口として機能したが、有事の際には敵を迎え撃つ軍事拠点へと変貌する、攻守両面を兼ね備えた構造になっていた。