輸入制限とは、自国の産業の保護や安全の確保などを目的として、政府が海外からの貨物の輸入に対して、数量の制限や禁止などの規制を設けることを指します。
解説
輸入制限の主な目的は、海外から安価な製品が大量に流入することで、国内の競合する産業が衰退してしまうのを防ぐことにあります。例えば、農産物の輸入を制限することで国内の農家を守り、自給率を維持するといった政策がとられます。
また、安全面や環境保護の観点から行われることもあります。病害虫の侵入を防ぐための検疫や、有害物質を含む製品の持ち込み禁止なども広い意味での輸入制限に含まれます。一方で、自由貿易を推進する世界貿易機関(WTO)などの国際的なルールでは、正当な理由のない制限は禁止されており、不当な制限は貿易摩擦の原因となることも少なくありません。
コラム
国同士の取引において、輸出額よりも輸入額の方が大きくなっている状態を「貿易赤字」と呼びます。日本は加工貿易を得意としてきましたが、天然資源の少ない国であるため、原油や天然ガスといった資源を豊富に持つ国々(サウジアラビアやオーストラリアなど)との間では、輸入額が大幅に上回り、貿易赤字が発生しやすい構造になっています。
また、急激な輸入増加によって国内産業が深刻な打撃を受ける可能性がある場合に、一時的に行われる緊急の輸入制限措置は「セーフガード」と呼ばれます。