ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、世界中の子どもたちの権利を守り、健やかな成長を支援することを目的として設立された国際連合の補助機関です。第二次世界大戦後の1946年に、被災した子どもたちへの緊急援助を目的として創設され、現在は主として発展途上国における保健、栄養、教育、水と衛生、保護といった幅広い分野で人道支援を展開しています。
解説
ユニセフの活動は、国連の通常予算ではなく、各国政府からの任意拠出金や民間からの寄付によって支えられているのが大きな特徴です。このため、世界各地にある国内委員会(日本ユニセフ協会など)を通じた募金活動が、支援を実現するための重要な柱となっています。
具体的な活動内容は多岐にわたります。例えば、安価で効果的な「経口補水塩」の普及による下痢性疾患からの命の保護、ポリオやはしかなどの予防接種の推進、ビタミンAなどの微量栄養素の補給といった保健・栄養分野での支援が挙げられます。また、紛争や自然災害などの緊急事態が発生した際には、避難所にテントや学用品を届けるなど、子どもたちが日常の生活をいち早く取り戻せるような環境整備も行っています。
コラム
紛らわしい機関としてユネスコ(UNESCO:国連教育科学文化機関)がありますが、ユネスコが教育・科学・文化の振興や世界遺産の保護を主目的とするのに対し、ユニセフは「子ども」に特化した直接的な救済を主目的としています。試験などでは、発展途上国の児童への援助はユニセフ、文化や世界遺産はユネスコ、とはっきり区別して覚えることがポイントです。
また、歴史的な背景として、1989年のベルリンの壁崩壊や冷戦終結、ソ連解体といった激動の時代がありました。この1989年には「子どもの権利条約」が国連総会で採択され、子どもを一人の権利の主体として認める国際的な基準が確立されました。ユニセフはこの条約を活動の指針としており、世界中のすべての子どもが公平なチャンスを持てる社会の実現を目指しています。