アフリカの年とは、1960年にアフリカ大陸で一挙に17カ国が独立を果たしたことを指す歴史用語です。第二次世界大戦後のナショナリズムの高まりを背景に、それまでイギリスやフランスなどの植民地支配下にあった地域が次々と主権を取り戻し、国際社会におけるアフリカの存在感が劇的に高まった年となりました。
解説
1950年代からアジアやアフリカでは、自らの民族の運命は自らで決定するという「民族自決」の動きが加速しました。1955年にインドネシアで開かれたアジア・アフリカ会議(バンドン会議)において、植民地主義への反対と平和共存の原則が示されたことが、アフリカ諸国の独立運動を強力に後押ししました。その結果、1960年にはカメルーン、ナイジェリア、コンゴ民主共和国、セネガルなど、計17カ国が新たな独立国家として誕生しました。
これらの新興独立国が相次いで国際連合(国連)に加盟したことで、世界の政治構造は大きな転換点を迎えました。アメリカとソ連が対立する冷戦構造の中で、いずれの陣営にも属さない「第三勢力(第三世界)」としての発言力が強まり、国連総会などの国際会議において、植民地支配の解放や人種差別撤廃に向けた議論が活発化することとなったのです。
コラム
1960年の「アフリカの年」に先立ち、1957年にはガーナがサハラ以南のアフリカでいち早く独立を達成し、独立運動の先駆けとなりました。また、日本との関連では、日本が国際連合に加盟したのはアフリカの年に先立つ1956年のことです。これは日ソ共同宣言によってソビエト連邦との国交が回復し、日本加盟に対する反対がなくなったことで実現しました。アフリカ諸国の大量加盟により、国連はそれまでの大国中心の組織から、より地球規模の課題を扱う組織へと性質を変えていくことになります。