- 移動距離の比
- 道具を使って物体を動かすとき、力を加える場所が動く距離と、物体そのものが動く距離の割合
解説
てこを例に挙げると、支点から力を加える点(力点)までの距離と、支点から重りを持ち上げる点(作用点)までの距離の比が、そのまま移動距離の比に対応します。例えば、力点までの距離が作用点までの距離の2倍であれば、力点を20cm押し下げたとき、作用点は10cm持ち上がります。
この関係は「仕事の原理」に基づいています。道具を使っても、必要なエネルギー(仕事量)を減らすことはできません。少ない力で重いものを持ち上げようとすると、その分だけ長い距離を動かす必要が生じます。この「得をした力の分だけ、損をする距離」の関係を数値化したものが移動距離の比です。
コラム
てこの計算問題を解く際には、以下の4つの手順を意識するとミスを防げます。まず、図の中に力の向きを矢印で書き込みます。次に、回転の中心となる「支点」を明確にします。そして、支点を中心に右回りに回そうとする力と左回りに回そうとする力を分け、最後に「力×支点からの距離」が等しくなるように式を立てます。
日常生活では、ハサミや釘抜きなどがこの原理を利用しています。持ち手(力点)を大きく動かすことで、刃先や先端(作用点)に強い力を伝えているのです。移動距離の比を意識することで、道具の仕組みを論理的に理解できるようになります。