- 岩手県から宮城県へと流れる、東北地方で最長の249kmを誇る一級河川。
- 北上山地と奥羽山脈の間を南下し、石巻市で太平洋に注ぐ。
- 流域には北上盆地や仙台平野が広がり、稲作や果樹栽培、畜産が盛んな地域を支える。
解説
北上川は、岩手県岩手町の御堂観音にある「弓弭の泉(ゆはずのいずみ)」を源流とし、宮城県の石巻市で太平洋へと注ぐ河川です。全長249kmは日本で4番目の長さを誇り、東北地方では最大の規模を誇ります。地形的な特徴として、東側の北上山地と西側の奥羽山脈に挟まれた構造平野を、ほぼ直線的に南下する点が挙げられます。
この川の流域には、岩手県側に北上盆地、宮城県側に仙台平野という広大な平野部が形成されています。古くから水運の要所として、物資の輸送に重要な役割を果たしてきました。現代においても、大規模な農業地帯を支える重要な水源となっており、中流から下流にかけては日本有数の穀倉地帯として知られています。
コラム
北上川流域の農業は非常に多彩です。岩手県の北上盆地では、冷涼な気候を活かしたりんごの栽培や、前沢牛に代表される肉用牛の生産が盛んに行われています。一方で、北上川は歴史的に度重なる洪水に悩まされてきた川でもあります。
そのため、明治時代から昭和時代にかけて大規模な治水工事が行われました。特に河口付近では、洪水を安全に流すための「新北上川(追波川)」が切り開かれ、従来のルートは「旧北上川」として整備されました。この大規模な河川改修により、洪水被害の軽減と安定した水利用が可能になり、現在の豊かな農村地帯が維持されています。