総会とは、すべての加盟国が参加して構成される国際連合(国連)の最高意思決定機関です。主権平等の原則に基づき、国の大きさや経済力に関わらず、すべての加盟国が等しく「1国1票」の投票権を持ちます。毎年9月から開かれる通常総会のほか、必要に応じて臨時総会や緊急特別総会が開催され、国際社会が直面する平和、安全、予算、新加盟国の承認といった広範な課題について討議し、勧告を行う重要な役割を担っています。
解説
総会の最大の特徴は、その民主的な意思決定の仕組みにあります。安全保障理事会が特定の国(常任理事国)に強い権限を与えているのに対し、総会では190カ国以上の加盟国すべてが対等な立場で議論に参加します。議決にあたっては、平和と安全の維持、安全保障理事会の非常任理事国の選出、新しい加盟国の受け入れ、予算案の策定といった「重要事項」については、出席して投票する国の3分の2以上の賛成が必要です。それ以外の一般的な事項については、過半数の賛成で決定されます。
また、総会は国連の活動全般を監督する中心的な存在です。経済社会理事会を通じて、教育や文化を扱うユネスコ(UNESCO)、児童の援助を行うユニセフ(UNICEF)、保健分野を担うWHOといった専門機関の活動を調整する機能も持っています。国際平和の維持だけでなく、人権保護、開発援助、環境問題など、地球規模の課題解決に向けた国際協力の枠組みを形作る場となっています。
コラム
総会で採択される決議には、安全保障理事会の決議とは異なり、加盟国に対して行動を強制する「法的拘束力」はありません。しかし、世界中のほとんどの国が集まって下された判断は「国際社会の総意(世論)」として、極めて強い政治的な影響力を持ちます。
歴史的には、安全保障理事会が常任理事国の「拒否権」行使によって機能不全に陥った際、総会が「平和のための結集」決議に基づいて平和維持のための勧告を行った例もあります。日本は1956年の加盟以来、この総会を多国間外交の重要な舞台として活用しており、分担金の拠出や平和維持活動(PKO)、政府開発援助(ODA)などを通じて、国際社会の中で大きな役割を果たし続けています。