まとめ
国連貿易開発会議(UNCTAD)は、発展途上国の経済開発を貿易の側面から支援することを目的とした、国際連合の常設機関です。1964年に設立され、北の先進国と南の途上国の間にある経済格差、いわゆる「南北問題」の解決に向けた議論の場として、途上国の立場を代表する重要な役割を果たしてきました。
解説
UNCTADが設立された背景には、途上国の多くが農産物や鉱物資源などの一次産品を輸出している一方で、先進国から高額な工業製品を輸入しているため、貿易をすればするほど不利になるという経済構造がありました。初代事務局長のプレビッシュが提出した報告書(プレビッシュ報告)では、この「交易条件の悪化」を指摘し、途上国に対する「援助よりも貿易を」というスローガンが掲げられました。
近年では、途上国の中でも急速に経済成長を遂げたBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)のような新興国と、依然として貧困に苦しむ後発開発途上国との間の格差、すなわち「南南問題」も深刻化しています。UNCTADは、これらの複雑化する世界経済の課題に対し、より公正な貿易ルール(フェアトレード)の普及や、デジタル経済への対応、持続可能な投資のあり方について提言を行っています。
UNCTADの具体的な成果の一つに「一般特恵関税制度」があります。これは、先進国が途上国からの輸入品に対して、通常の関税よりも低い税率を適用することで、途上国の製品が国際市場で売れやすくする仕組みです。
また、教育的な側面からは「南北問題」と「南南問題」の違いを理解することが重要です。南北問題が「先進国と途上国の格差」を指すのに対し、南南問題は「成長する途上国と取り残される途上国の格差」を指します。UNCTADは、これら全ての国々がバランスよく発展できる国際社会を目指しています。
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