国会議員がその職務の対価として、国庫から受ける相当額の報酬のことである。日本国憲法第49条に規定されており、議員が経済的な不安なく独立して職務を遂行できるようにするための身分保障の一環として位置づけられている。
解説
歳費は、国会議員の経済的独立性を確保し、外部からの金銭的な誘惑や干渉を排除して、国民の代表として公正かつ自由に職務を遂行できるように憲法で保障された給与である。日本国憲法第49条には「両議院の議員は、法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受ける」と明記されている。
この規定の重要な意義は、資産の有無にかかわらず誰もが立候補できる機会を保障する点にある。議員活動には多大な労力と時間を要するため、無報酬では特定の富裕層しか政治に参加できなくなる恐れがある。これを防ぐことで、民主主義の根幹である国民の多様な代表を議会に送り出す仕組みが守られているのである。
コラム
歳費の具体的な額は「国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律」によって定められており、一般の給与と同様に所得税が課せられる。一方で、調査研究広報滞在費(旧・文書通信交通滞在費)などは実費弁償的な性格を持つため、歳費とは異なり非課税とされるなど、法的な性質が明確に区別されている。また、衆議院が解散された場合、参議院は同時に閉会となるが、緊急の必要がある場合には参議院の緊急集会が開かれるなど、国会には議員の身分や活動を継続させるための精緻な仕組みが備わっている。