- 地方自治
- 一定の地域の住民が、その地域の行政を自らの意思と責任に基づいて行う仕組み
- 日本国憲法第92条で「地方自治の本旨」として住民自治と団体自治の原則が保障されている
- 住民が首長と議会議員の両方を直接選挙で選出する「二元代表制」を採用している
- 「民主主義の学校」と呼ばれ、直接請求権などを通じて住民の意思を反映させる仕組みがある
解説
地方自治は、住民の意思に基づいて行われる「住民自治」と、地方公共団体が国から独立して行政を行う「団体自治」の二つの要素から成り立っています。イギリスの政治学者ブライスは、地方自治を「民主主義の学校」と呼び、身近な政治に参加することが民主主義の理解につながると説きました。
日本の地方自治の大きな特徴は、住民が執行機関である首長(知事・市町村長)と、議決機関である議会の議員をそれぞれ直接選ぶ「二元代表制」にあります。両者は対等な立場で互いに抑制し合い、権力のバランスを保っています。また、地方公共団体の財政運営において、国からの財政支援は重要な役割を果たしますが、その性質には以下のような違いがあります。
| 項目 |
地方交付税交付金 |
国庫支出金 |
| 財源の性質 |
一般財源(使い道が自由) |
特定財源(使い道が限定) |
| 目的 |
自治体間の財政格差の是正 |
特定の事業(教育・土木等)の奨励 |
| 国の関与 |
少ない(自治権が強い) |
強い(国の指導・監督がある) |
近年では、地域のことは地域で決める「地方分権」が進められており、かつて自主財源が少ないことから「三割自治」と呼ばれた状況を改善するため、国から地方への権限移譲や税源の委譲が続けられています。
コラム
住民が直接政治に参加する仕組みとして「直接請求権」があります。これには、条例の制定・改廃請求(有権者の50分の1以上の署名)や、議会の解散請求、首長や議員の解職請求(リコール:原則3分の1以上の署名)などが含まれます。リコールを成立させるには署名後の住民投票で過半数の賛成が必要です。
また、議会と首長の対立が激化した場合、議会は首長の不信任決議を行うことができます。これには議員の3分の2以上が出席し、その4分の3以上の賛成が必要です。不信任が決議された場合、首長は10日以内に議会を解散するか、自ら辞職しなければなりません。なお、東京23区は「特別区」と呼ばれ、一般の市町村と同様に区長や区議会議員を直接選挙で選びますが、一部の事務や税収を東京都が管理するなどの特例があります。被選挙権の年齢は、都道府県知事は30歳以上、市町村長や議員は25歳以上です。