- 日本の水産物消費量の約半分は海外からの輸入によって賄われている。
- 主な輸入品目は、まぐろやえびといった高価な食材から、練り製品の原料となる「たら」まで幅広い。
- 主要な輸入先は中国、チリ、アメリカなどで、近年は世界的な需要増による価格高騰が課題となっている。
解説
日本の水産物供給において、輸入は極めて重要な役割を果たしています。1970年代以降、排他的経済水域(EEZ)の設定により遠洋漁業が制限されたことや、国内の漁業従事者の高齢化、燃料費の上昇などが重なり、国内の漁獲量は減少傾向にあります。この需給のギャップを埋める形で、水産物の輸入量が増加しました。
主な輸入品目を見ると、食卓に直接並ぶ「まぐろ」「えび」「さけ・ます」などが上位を占めます。また、単にそのまま食べるだけでなく、加工品の原料としての輸入も盛んです。例えば、スケトウダラは「すり身」の状態で輸入され、日本国内でかまぼこやちくわなどの練り製品に加工されます。輸入先は、地理的に近い中国や、養殖業が盛んなチリ、広大な漁場を持つアメリカやロシアなどが中心です。
コラム
2020年の統計データによると、日本の食料自給率(生産額ベース)において、魚介類は他の品目と比較しても輸入への依存度が比較的高い傾向にあります。かつては「魚は日本近海でとれるもの」というイメージが強かったですが、現在はグローバルな流通網に支えられています。
しかし、近年では「魚食のグローバル化」が進み、中国や欧米諸国での水産物需要が急増しています。これにより、日本がこれまでのように安価に水産物を買い付けることが難しくなる「買い負け」の問題が発生しています。また、輸入に頼りすぎることは、相手国の情勢や為替変動の影響を直接受けるリスクも孕んでいます。そのため、国内の養殖技術の向上や、水産資源の適切な管理による自給率の維持・向上が改めて議論されています。