まとめ
- 物体が液体に浸かった際、その物体によって本来の場所から排除された液体の体積を指す。
- この体積に相当する液体の重さが、物体を上向きに押し上げる力(浮力)の大きさを決定する。
- 物体が完全に沈んでいるときは物体の体積と一致し、浮いているときは水面下の部分の体積と一致する。
解説
物体を水などの液体に入れると、物体が入った分だけ液体が脇へ押しやられます。この「おしのけた液体の体積」は、浮力の大きさを計算する上で極めて重要な要素です。アルキメデスの原理によれば、物体が受ける浮力は、その物体がおしのけた液体の重さに等しくなります。
例えば、空気中で重さが100g、体積が10cm³の物体を水に沈めた場合を考えます。水1cm³の重さは1gであるため、この物体がおしのける水の重さは10gとなります。この10g分が浮力として働くため、ばねばかりで測ると「100g – 10g = 90g」という値を示します。
一方で、物体が水面に浮いている場合は状況が異なります。重さ100g、体積120cm³の物体が水に浮いているとき、物体に働く重力(100g)と浮力が釣り合っています。このとき、浮力の大きさは物体の重さと同じ100gになるため、おしのけた水の体積は100cm³となります。つまり、物体の全容積120cm³のうち、100cm³分が水に沈んでおり、残りの20cm³は水面上に出ていることになります。
水の中に物を入れたとき、その物の分だけ水が横にどかされますね。この、どかされた水の量のことを「おしのけた液体の体積」と言います。お風呂に入ったときに、お湯のかさが増えるのをイメージすると分かりやすいでしょう。
この「おしのけた水の量」は、物を上に押し上げる力である「浮力」と深い関係があります。水は、自分がおしのけられた分だけ、その物を押し返そうとする性質を持っているのです。だから、水に深く沈めれば沈めるほど、おしのける水の量が増えて、押し返す力(浮力)も大きくなります。
もし、物が水に浮いているなら、その物の重さと、おしのけた水の重さがちょうど同じになっています。例えば、100gの重さがあるボールが浮いているとき、そのボールはちょうど100g分の水をおしのけていることになります。このように、目に見えない「力」の大きさを、水の量で計算できるのがこの考え方のすごいところです。
大昔のギリシャにいたアルキメデスという学者は、お風呂に入って水があふれるのを見て、この「おしのけた水の量」のヒミツに気づきました。あまりにうれしくて、服を着るのも忘れて「エウレカ!(わかったぞ!)」と叫びながら街を走ったという有名な話が残っています。
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