- 家庭内で使用される冷蔵庫、洗濯機、掃除機などの電気器具の総称で、日本の主要な工業製品の一つ。
- 1980年代半ば以降、円高や生産コスト削減を背景に、生産拠点が中国や東南アジアなどの海外へ急速にシフトした。
- 現在は、海外での汎用品生産と、国内での高付加価値・高機能製品の開発という棲み分けが進んでいる。
解説
家庭用電気製品は、日本の高度経済成長期から現代に至るまで、人々の生活様式を劇的に変化させてきた工業製品です。かつては「家電王国」と呼ばれた日本国内で盛んに生産されていましたが、1980年代半ばのプラザ合意以降の円高を契機に、メーカーは国際競争力を維持するために生産拠点を海外へ移転させました。この動きは、特に構造が単純で大量生産に向く製品において顕著であり、現在では多くの家電製品が海外からの輸入によって賄われています。これにより、消費者は安価な製品を手に入れやすくなりましたが、一方で国内の工場が減少する「産業の空洞化」という課題も生じました。
コラム
海外生産が進む一方で、日本の国内工場では、高い技術力を活かした「高機能家電」の生産に注力しています。例えば、インターネットとつながるIoT家電や、高度なセンサー技術を用いた省エネ製品、ロボット掃除機などが挙げられます。このように、単純な機能の製品は海外で安く作り、付加価値の高い製品は国内で作るという「国際分担」の形が定着しています。また、近年では環境保護の観点から、家電リサイクル法に基づいた資源の再利用も重要なテーマとなっています。