- 全数調査
- 調査対象となる集団のすべてを漏れなく調査すること
- 対象者全員を調べるため、統計的な誤差が生じず極めて正確なデータが得られる
- 日本で最も大規模な例は、5年に一度実施される国勢調査である
- 膨大な費用、時間、人員が必要となるため、頻繁な実施は困難である
解説
全数調査は、ある特定の集団(母集団)の全体像を完全に把握するために行われる調査手法です。統計学的には「悉皆(しっかい)調査」とも呼ばれます。この手法の最大の特徴は、一部を抜き出して推測するのではなく、全員から回答を得るため、計算上の誤差が理論上存在しない点にあります。
代表的な例である「国勢調査」では、日本国内に居住するすべての人と世帯を対象に、人口、世帯構成、就業状況などを調査します。ここで得られたデータは、衆議院の小選挙区の区割りや、地方交付税の配分、福祉政策の立案など、国や自治体の運営における最も重要な基礎資料として活用されます。
| 比較項目 |
全数調査 |
標本調査 |
| 調査対象 |
集団の全員・全部 |
集団の一部(標本) |
| データの精度 |
極めて高い(誤差なし) |
推計による誤差がある |
| コスト・時間 |
非常に多くかかる |
抑えることができる |
| 主な活用例 |
国勢調査、資源調査 |
世論調査、視聴率調査 |
コラム
全数調査は正確である反面、対象が膨大になると実施が非常に困難になります。例えば、電球の寿命を調べる調査で全数調査を行うと、すべての製品を使い切ってしまうことになり、販売する商品がなくなってしまいます。このような「破壊検査」が必要な場合や、速報性が求められる世論調査などでは、全数調査ではなく標本調査が採用されます。
また、国勢調査の対象には、日本国籍を持つ人だけでなく、日本に3か月以上住んでいる(または住む予定の)外国人も含まれるという点は、試験でもよく問われる重要なポイントです。