PKO(国連平和維持活動)とは、国際連合(国連)が主導し、紛争地域における停戦の監視や選挙の支援、治安維持などを通じて平和の再構築を支援する活動のことである。国連憲章に明文の規定はないが、冷戦期における安全保障理事会の機能不全を補完する現実的な平和維持手段として創設・発展してきた。
解説
PKOは安全保障理事会の決議に基づき、紛争当事者に対して中立的な立場で派遣される。主な活動形態には、武器を持たずに停戦状況を監視する「停戦監視団」と、軽武装で兵力の引き離しや治安維持を行う「平和維持軍(PKF)」がある。活動にあたっては、紛争当事者の同意、中立性の維持、および自衛以外の武器使用禁止という「PKO三原則」が基本とされてきた。
かつては停戦監視が中心であったが、近年では活動範囲が大幅に拡大し、行政管理、人権監視、難民の帰還支援、さらには民主的な選挙の実施支援といった「平和構築」の役割を担うようになっている。これは冷戦終結後、国家間の戦争よりも国内での内戦が増加したという国際情勢の変化に対応したものである。
コラム
日本の関わりについては、国連への予算分担率が世界第3位であるなど財政面での貢献は大きいが、現場への派遣人数は他国に比して少ない現状がある。自衛隊の派遣に際しては、文民統制(シビリアン・コントロール)の原則に基づき、内閣総理大臣が最高指揮監督権を持つ。
こうした国際的な取り組みは国内法にも影響を与えている。例えば「女子差別撤廃条約」の批准は「男女雇用機会均等法」の制定を促し、「子どもの権利条約」は18歳未満を対象とした権利を定めている。また、1954年の水爆実験(第五福竜丸事件)の被害経験から、日本は国際社会に対し核兵器廃絶を強く訴え、非核三原則を国是とするなど、環境面でも1972年の国連人間環境会議や1992年の地球サミットを経て、現在のSDGsへと繋がる国際協力の枠組みが発展している。