- 農作物や家畜の性質を、交配などを通じて人間にとって有益なものに作り変える技術。
- 収穫量の増加、病害虫への耐性強化、味や品質の向上などを目的として行われる。
- 日本の稲作においては、特に寒冷地での栽培を可能にする耐冷性の向上が重要な課題となってきた。
解説
品種改良は、異なる性質を持つ個体を掛け合わせたり、突然変異を利用したりして、より優れた新しい品種を作り出すプロセスです。例えば、お米の生産において「味は良いが寒さに弱い」品種と「味は普通だが寒さに強い」品種を交配させることで、両方の長所を兼ね備えた「味が良くて寒さにも強い」理想的な品種を目指します。
日本では、気候や風土に合わせた品種開発が盛んです。1993年の記録的な冷害では、当時広く普及していた「ササニシキ」が大きな被害を受けた一方で、比較的寒さに強かった「コシヒカリ」系統の品種が生き残りました。この出来事以降、気象災害のリスクを分散させるため、より環境適応能力の高い品種への転換が進められました。
コラム
近年では、従来の交配による方法に加え、遺伝子組み換え技術やゲノム編集といった先端技術を用いた品種改良も行われています。これにより、特定の栄養素を増やしたり、保存性を高めたりすることが可能になりました。
一方で、特定の優良品種ばかりが栽培されると、その品種が苦手とする病気や気象条件が発生した際に全滅するリスク(遺伝的脆弱性)が高まります。そのため、各地の伝統的な在来種を保存し、生物多様性を維持することも、将来の品種改良に向けた重要な資源確保として注目されています。