まとめ
【定義】
冬季に根からの吸水能力が低下する際、体内からの過剰な水分消失を防ぐために、秋に全ての葉を落とす樹木のこと。
学習の要点
- 重要語句:蒸散、気孔、気化熱、環境適応
- 用語の意義:植物が周囲の環境変化(乾燥や低温)に対応し、生存を維持するためのエネルギー制御戦略。
解説
落葉樹は、低温により根の吸水活動が停滞する冬に備え、秋に葉を落とすことで蒸散による水分喪失を最小限に抑える性質を持つ。これは植物の重要な環境適応の一つである。
植物の蒸散量は、日差し、湿度、気温、風といった外部条件に強く依存する。特に日差しが強まり気温が上昇する条件下では、葉の裏などに存在する気孔が開かれ、蒸散が促進される。蒸散には、水が気体になる際の気化熱を利用して植物体の温度上昇を抑制する「体温調節」の効果と、根からの水や養分の吸収を活発化させる「吸水促進」という重要な因果関係が存在する。
1日の変化を観察すると、日差しのピークは12時頃、気温のピークは14時過ぎとなる。これに対し、植物の蒸散量は両方の要因が重なる13時頃にピークを迎えるという特徴がある。
また、乾燥地帯に生息するサボテンなどは、日中の蒸散を抑えるために気孔の開閉を特殊に制御するなど、環境に応じた独自の生存戦略を発達させている。
補足
落葉の際には、葉の付け根に「離層」と呼ばれる細胞の層が作られ、養分の流出を防ぎながら効率的に葉を切り離す仕組みが働いている。
参照: 学習指導要領準拠資料
小学生のみなさんへ
落葉樹(らくようじゅ)は、冬が来る前に葉っぱをすべて落とす木のことです。
冬は寒くて、根っこから水を吸い上げる力が弱くなります。そのまま葉っぱがついていると、そこから水分がどんどん逃げてしまうため、秋に葉を落として体の水分を守る工夫をしているのです。
植物は、葉っぱにある「気孔(きこう)」という小さな穴から水分を出す「蒸散(ぞうさん)」という働きをしています。太陽の光が強くて気温が高くなると、蒸散はさかんになります。これには、熱くなった体の温度を下げたり、根っこから新しい水を吸い上げたりする大事な役割があります。
1日のなかで、蒸散がもっとも多くなるのはお昼すぎの13時ごろです。これは、太陽が一番まぶしい12時と、気温が一番高くなる14時すぎの両方の影響を受けるからです。
砂漠(さばく)に生えているサボテンのように、雨が少ない場所で水分を逃がさないように工夫して生きている植物もいます。
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