宣戦布告とは、国家が特定の相手国に対して、戦争を開始する意思を公式に表明する手続きのことです。国際法上の義務として定められており、これによって両国は平時の関係から「戦争状態」へと移行し、中立国に対してもその事実が通知されることになります。
解説
宣戦布告は、1907年のハーグ条約(開戦に関する条約)によって、理由を明記した「最後通牒」または「宣戦の宣言」が必要であると規定されました。これにより、不意打ちの攻撃を防ぎ、国際社会に対して戦争の正当性や範囲を明確にする役割を果たしてきました。
日本の歴史においては、日清戦争や日露戦争、第一次世界大戦などで正式な宣戦布告が行われました。しかし、太平洋戦争の際には、アメリカへの通告が真珠湾攻撃の開始後になってしまったことが大きな歴史的議論の対象となっています。また、1928年の不戦条約以降、国家の政策手段としての戦争が禁じられたため、現代では「宣戦布告」という形式をとらずに武力紛争が始まるケースが多くなっています。
コラム
現代の国際社会では、国際連合憲章により武力による威嚇や行使が原則禁止されています。そのため、かつてのような「宣戦布告」が行われることは稀であり、代わりに「自衛権の発動」や「国連決議に基づく制裁」といった名目で軍事行動が行われるのが一般的です。歴史の試験などでは、第一次世界大戦や太平洋戦争における各国の外交関係や、開戦に至るまでの手続きの不備が問われることが多いため、当時の国際情勢とセットで理解しておくことが重要です。