まとめ
【定義】
液体に混在する不溶性の固体物質を、ろ紙などの多孔質素材を用いて分離する操作。粒子径の差を利用して、液体(ろ液)と固体(残留物)に分ける物理的な分離手法である。
学習の要点
- 重要語句:ろ紙、ろ液、溶解度、飽和水溶液、析出
- 用語の意義:水溶液に溶け残った物質や、温度変化によって現れた結晶を液体から取り出すために用いられる。
解説
ろ過は、物質の溶解度の差や温度変化を利用した実験において、不可欠な分離操作である。物質が溶媒(水など)に対して限界まで溶けている状態を飽和水溶液と呼び、その限界量を溶解度という。溶解度は温度によって変化し、一般的に温度が下がると溶けきれなくなった物質が固体として現れる。これを析出と呼ぶ。
例えば、ホウ酸のように温度による溶解度の変化が大きい物質を高温の水に溶かし、その後に冷却すると、多量の結晶が析出する。この際、ろ紙を用いたろ過を行うことで、固体となったホウ酸と液体を分離することができる。一方、食塩のように温度による溶解度の変化が小さい物質は、冷却による析出量が少ないため、別の分離法(蒸発など)が検討される。
また、植物の種子においては、発芽の際に胚が子葉などに蓄えられた養分を利用して成長する。こうした生物学的な過程と、物質が水に溶ける性質(水溶液の性質)は、理科における因果関係を理解する上で重要な要素となる。
補足
ろ過を行う際は、ろ紙を漏斗(ろうと)に密着させ、ガラス棒を伝わせて液体を注ぐことで、飛散を防ぎ正確に分離することができる。
参照: 学習指導要領準拠資料
小学生のみなさんへ
ろ過とは、液体の中にまじっている、水に溶けきれなかった固体を、ろ紙などを使って分けることです。
理科の実験では、ホウ酸や食塩が水にどれくらい溶けるかを調べることがあります。水が冷たくなって出てきたツブ(結晶)を液体と分けたいときに、ろ過をします。
また、植物の種子が芽を出すときには、水や温度、空気が大切です。インゲンマメなどの種子の中にある「子葉(しよう)」には、芽が出るための栄養がたくわえられています。こうした植物の育ち方や、ものの溶け方の決まりを学ぶときに、ろ過という方法はとてもよく使われます。
記事の内容に誤りがありますか?
⚠️ 修正を提案する